歯科医院での治療で一括で支払うことができない場合、デンタルローンを組むかと思います。
慌てて歯科医院のデンタルローンを組んでしまうと、大きく損する場合があります。
デンタルローンごとに金利は違いますし、審査基準も異なるので、デンタルローンを利用する前に一通り知っておいた方がいいです。
そこでこの記事では6社のデンタルローンについて徹底的に比較します。
目次
1.デンタルローンの特徴を簡単に分かりやすく解説!
デンタルローンでは、インプラント、ホワイトニング、歯科矯正などの歯科治療費を借りることができます。
- ホワイトニングの費用:1回当たり15000円~30000円
- インプラントの費用:1本当たり25万円~45万円
- 歯科矯正:100万円~250万円
このように歯科治療でも自費治療のものは非常に高額です。
一括で払えるだけの貯金があればいいですが、そこまで溜まっていないことも多いと思います。
そういった高額な治療費のかかる治療の時に使えるのがデンタルローンです。
デンタルローンを組む場合には、
- 歯科医院と提携しているデンタルローン(クレジットカード会社や信販会社との提携)
- 銀行のデンタルローン
のいずれかを選択することになります。
・最大200万円の医療費控除が受けられる
1月1日から12月31日までに支払った医療費が対象となり、以下の計算方法で求められる金額を所得金額から引くことができます。
所得金額が減ることで、所得税が軽減されます。
「医療控除となる金額=支払った医療費-保険金-10万円」
デンタルローンを組んだ場合には、組んだ年が医療費控除の対象となります。
もし10万円以上のデンタルローンを組むのであれば、医療費控除を受けることができます。
例えば、50万円のローンを組んで、保険の給付金や健康保険で支給されるお金がない場合の医療費控除金額は
50万円-0円-10万円=40万円
40万円の医療費控除が受けられます。
医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
年末調整で自動的に調整してもらえるわけではないので注意してください。
また分割払い手数料や金利は控除の対象外となります。
2.6社のデンタルローンの徹底比較!
デンタルローンと一言で言っても、各金融機関ごとに貸付の条件は異なります。
そこで6社のデンタルローンについて調べました。
比較しやすいようにまとめたので、デンタルローンを選ぶときには参考にしてください。
◆銀行のデンタルローン
◆歯科医院と提携しているデンタルローン(クレジットカード会社や信販会社との提携)
・金利の比較
商品名 | 金利 |
千葉銀行「デンタルローン」 | 5.0%~5.2% |
筑波銀行「つくばデンタルローン」 | 5.0% |
イオン銀行「デンタルローン」 | 3.8%~8.8% |
JACCS「デントキュア」 | 4.5% |
オリコ「デンタルクレジット」 | 公式ページに記載なし |
アプラス「デンタルローン」 | 7.20%~14.40% |
基本的に金利は銀行のデンタルローンの方が安いです。
ただ例外的にJACCSのデントキュアは4.5%と金利が安いです。
もし通う歯科医院がJACCSと提携しているのであれば、おすすめです。
また金利を比較するときには、大きい数字を見てください。
安い方の金利が適応されることはめったになく、高い方の金利が適応されることがほとんどです。
なので、上限金利で比較して、安いデンタルローンを選びましょう。
「無金利・無利子のデンタルローンはあるのか?」
歯科医院によっては、一定期間の無金利・無利息期間があるデンタルローンを提供している場合もあります。
無金利や無利息期間があれば、利息を安く抑えることができるので、契約したくなるかもしれません。
金利や分割手数料をすべて負担してくれるのであれば、契約して大丈夫です。
しかし、一般的には無金利・無利息期間が終了した後の金利は高めに設定されていることが多いです。
基本的にデンタルローンは長期返済型のローンです。
1~3か月無利息期間があるよりも、単純に金利が安い方がお得です。
すぐに完済できる予定があれば、無金利・無利息期間があるデンタルローンを選んでも大丈夫です。
しかし、すぐに完済できる予定がないのであれば、金利が安いところを選んだほうが最終的に支払う利息の金額は安くなります。
・借入限度額の比較
商品名 | 借入限度額 |
千葉銀行「デンタルローン」 | 10万円以上500万円以内 |
筑波銀行「つくばデンタルローン」 | 10万円以上500万円以内 |
イオン銀行「デンタルローン」 | 30万円~700万円 |
JACCS「デントキュア」 | 500万円 |
オリコ「デンタルクレジット」 | 10万~500万円 |
アプラス「デンタルローン」 | 10万円以上300万円以内 |
借入限度額は300万円~700万円と十分な金額となっています。
10本以上のインプラントをつける場合には、少々足りないかもしれませんが、それ以外の場合であれば借りられないことはまずないでしょう。
ただ注意したいのは、最小借入金額が設定されていることです。
10万円以下の少額融資の場合は、デンタルローンが利用できない場合がほとんどです。
ホワイトニングだと10万円以下になるので、少し使いにくいです。
10万円以下の少額融資の場合は後述するカードローンがおすすめです・
・審査時間・融資までの期間の比較
審査時間や融資までの期間は、金融機関ごとに異なりますし、審査状況によっても前後します。
公式ページの方でも公開しているところは少ないのですが、いくつか事例があったので紹介します。
千葉銀行「デンタルローン」の場合は来店での申し込みで2週間、郵送での申し込みは3~4週間となっています。
審査結果は3営業日以内に分かります。
オリコ「Webデンタルクレジット」の場合は最短3分、長くても半日程度で審査は完了します。
JACCS「デントキュア」は審査結果がお申込み後、3営業日以内に分かります。
審査結果は数日以内、融資までとなると数週間かかる感じです。
3.デンタルローンの返済をシミュレーションしてみる
・何回払いできる?6社の分割回数を比較!
商品名 | 返済期間・分割回数 |
千葉銀行「デンタルローン」 | 6か月以上10年以内 |
筑波銀行「つくばデンタルローン」 | 6ヶ月以上10年以内 |
イオン銀行「デンタルローン」 | 1年~8年 |
JACCS「デントキュア」 | 6回~84回 |
オリコ「デンタルクレジット」 | 6回~60回 |
アプラス「デンタルローン」 | 6~84回 |
5~10年の分割払いができることが分かります。
高額な金額でローンを組んだ場合には、分割回数が多い方が毎月の返済金額を減らすことができるので、うれしいですよね。
また注意したいのは、分割払いは6回~となっている点 です。
デンタルローンは長期返済型のローンとなっているので、短い期間での貸し付けは行っていません。
2~3か月あればローンの返済ができるという場合には、使えないということです。
短期間で返済できる予定があるのであれば、カードローンの利用がおすすめです。
デンタルローンと比べて、カードローンは金利は高いですが、すぐに完済できるのであれば、支払う利息に大きな差はありません。
借入金額が50万円以下で数か月以内に完済できるという場合には後述するカードローンがおすすめです。
・月額いくらになるのか?
金利5%で借りた場合の毎月の支払額がいくらになるのかを調べました。
◆毎月の返済額
借入金額 | 36回払い(3年) | 60回払い(5年) | 120回払い(10年) |
50万円 | 14,985円 | 9,436円 | 5,303円 |
100万円 | 29,971円 | 18,871円 | 10,607円 |
200万円 | 59,942円 | 37,742円 | 21,213円 |
300万円 | 89,913円 | 56,614円 | 31,820円 |
◆合計利息
借入金額 | 36回払い(3年) | 60回払い(5年) | 120回払い(10年) |
50万円 | 39,476円 | 66,137円 | 136,393円 |
100万円 | 78,952円 | 132,274円 | 272,786円 |
200万円 | 157,905円 | 264,548円 | 545,572円 |
300万円 | 236,857円 | 396,822円 | 818,359円 |
この表を見てもらえば分かるように返済期間を短くすれば、毎月の支払金額は多くなりますが、その分利息を減らすことができます。
逆に返済期間を長くすれば、毎月の返済金額は抑えられますが、支払う利息は増えてしまいます。
無理のない返済計画を立てることは大事ですが、あまりに長期返済にすると支払う利息が馬鹿になりません。
毎月の返済額と合計利息のバランスを見て、返済計画を立てるようにしましょう。
・ボーナス払いの利用は要注意
デンタルローンの中にはボーナス払い併用可能なものもあります。
ボーナス払いにすれば、ボーナス月の支払いは増えますが、それ以外の月での支払いは安く抑えることができます。
しかし、あらかじめボーナス払いを返済計画の中に入れるのは危険です。
仮にボーナスがもらえない場合でも、ボーナス月の返済金額は変わりません。
正直、ボーナスがいくらもらえるのかはその時になってみないと分かりません。
そういう不安定なものを長期の返済計画の中に組み込むのは危険です。
多くのローンでは繰り上げ返済が可能なので、ボーナスなどのまとまったお金が入った時には繰り上げ返済で返済することをおすすめします。
そうすれば、早く完済できて利息の支払い金額を抑えることができます。
4.デンタルローンの審査基準は厳しい!審査に落ちる人の特徴とは?
デンタルローンの審査は、安定した収入があり返済能力が十分にあれば、審査に通ります。
例えば、正社員で数年間働いているという人であれば、審査に通る可能性は高いです。
しかし、デンタルローンはカードローンと比べると、金利が安く借り手にとっては有利な商品です。
金利が安いと貸し手にとっては利益が減ります。
それにデンタルローンは100万円以上の高額な金額でローンを組むこともよくあります。
なので、万が一でも貸し倒れにならないように慎重な審査を行います。
カードローンやクレジットカードのキャッシングなどより審査は厳しいと思ってください。
審査の難易度としては「銀行>歯科医院提携」となっています。
歯科医院と提携している信販会社の方が若干審査が甘くなっています。
まずは銀行のデンタルローンを申し込んで、そのあとに歯科医院提携のデンタルローンに申し込むことをおすすめします。
・お金のトラブルがあると審査に落ちる
申込者の年収や勤務先、雇用形態などに問題がなくても、審査に落ちる場合があります。
それは信用情報機関に悪い情報が載っている場合です、
信用情報機関には、ローンやクレジットカードの利用状況が登録されています。
例えば、
- 今いくら借金を抱えているのか?
- 過去にローンの返済を延滞をしたことはないのか?
- 債務整理をしたことはないのか?
- 61日以上の長期の滞納はないのか?
など様々な情報を調べることができます。
信用情報を調べて、多額の借金を抱えていたり、延滞を繰り返している人は返済能力が低いと判断されます。
そのためデンタルローンの審査に落ちてしまうのです。
もし過去にこのようなお金のトラブルがあった場合には、残念ながらデンタルローンでお金を借りるのはあきらめたほうがいいでしょう。
・学生・専業主婦・無職の人は申し込めない場合も
銀行のデンタルローンは審査が厳しいだけでなく、申し込み条件も厳しくなっています。
学生や専業主婦、無職の人はそもそも申し込むことができません。
安定した収入があるとは言い難いので、リスクを避けて申し込みができないようになっています。
「パートやアルバイトをしているなら申し込める場合も」
歯科医院と提携している信販会社であれば、そこまで申し込み条件が厳しいわけではありません。
20歳以上で安定した収入がある人であれば、申し込みができるようになっています。
学生や主婦であっても、パートやアルバイトで1年以上働いているのであれば、安定した収入があるとみなされます。
ただパートやアルバイトの場合、収入が少ないので、高額な借入は難しいかもしれません。
審査結果によっては、連帯保証人をつけることを求められる場合もあります。
5.デンタルローンの審査に落ちた場合どうすればいい?
上で説明したようにデンタルローンはそれほど審査が甘くないので、申し込んでも落ちてしまうことがあります。
ただそれでも歯の治療や矯正など早めに済ませたい人もいると思います。
歯並びはコンプレックスに関わるところで、早めに改善したほうが明るい人生を送ることができます。
なので、お金を貯めてから治療をするのもいいですが、カードローンを使うのも一つの手段です。
デンタルローンは金利が安いため審査が厳しいです。
しかし、カードローンは金利が高い分デンタルローンよりも審査に通りやすいです。
またカードローンは使途自由なので、歯の治療に使っても問題ありません。
ただ金利が高いので、あまり高額なお金は借りないほうがいいです。
高くても50万円までにしたほうが、無理のない返済計画にできます。
また10万円以下の少額融資だとデンタルローンが組めない場合もありますが、カードローンであれば10万円以下はむしろ審査に有利です。
貯金+カードローンという形で支払うこともできるので、どうしてもすぐに歯の治療をしたいのであれば、カードローンを利用することをおすすめします。